君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
自分から離れたくせに。
来る日も来る日も浩ちゃんのこと思ってた。

大ちゃんのこと、好きになろうとしてた。
もう、浩ちゃんには会えないんだからって。
会えない人を思うより、身近にいるこの人を見ようって。

そう、決めたのに。

やっぱり、あたしは浩ちゃんのことがすき。



「好きだ、お前が」


「……好き」



驚くほど自然にその言葉が出てた。

いままで、言わないように言わないように。
思わないように思わないようにと。
必死に蓋をしていた。

閉じ込めてたその思いは、口にした途端に溢れ出す。



「好き、好き、好き、す……んっ」



あたしの愛の言葉の連呼は、浩ちゃんの唇に遮られる。



「そんな、連呼するなっつーの。我慢できねーだろ」



この前のキスとは違う。
今日のキスはふたりの気持ちが通いあったもの。

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