君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
それでも、ちゃんと話さないって言う選択肢はないから。



「じゃあ、大輔くん。また来るね」


「うん。待ってる」



エレベーターが着いた時に聞こえてきた会話。



「京香ちゃん……?」



京香ちゃんの頭を撫でている大ちゃんの姿が目に入る。



「あ、愛ちゃん!?」



声をかけたあたしに、大ちゃんの目が見開かられる。



「ち、違うんだよ!これは!」



言い訳をしようと、あたしに駆け寄ってくる。



「いいんだよ。大ちゃん。そんなことはどうでも」



大ちゃんが誰かほかの人といてくれるなら、その方がありがたい。
だって、あたしに罪の意識が少なくなるから。



「なんか面倒なことになりそうだから、あたしは行くわー。じゃ、愛莉ちゃんバイバイ」



ひらひらと手を振って、あたしが乗ってきたエレベーターに乗る。

< 65 / 193 >

この作品をシェア

pagetop