君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「どうしたの?」


「これ、新しい役」



嬉しそうに台本をあたしに持ってくる。



「わぁ、主役じゃん!」


「うん。オーディション受かった」



ニコニコと満面の笑みの彼はとても嬉しそう。



「なんか、いつもより嬉しそうだね」



いつも、どんな役がきても、大ちゃんは嬉しそうだけど。
でも、いつもよりもさらに嬉しそう見えた。



「さすが、愛ちゃん。ここ見てよ」



配役が書いてある一覧のなかから、1人の人の名前を指さす。



「白崎浩一(しらさきこういち)」



あたしは大ちゃんに指さされた部分の名前を読み上げる。



「知ってる?白崎さん」


「うん。最近よくテレビで見るようになったよね」



彼は最近、ドラマや映画にたくさん出るようになった。
遅咲き俳優とでもいうのかな。

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