君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
横目でスマホの画面を見ると、画面は通話中の文字。

極力、声は漏らしたくなかった。
浩ちゃんに聞かせたくなかった。



「へぇ、これ通話中なんだ?」



あたしの視線に気がついた大ちゃんが、スマホの画面をみて、口角を上げる。



「お願い、やめて……」


「白崎さんに聞かれたくない?そうだよね」



ニッコリと笑って、なおもあたしの服をぬがそうとする。



「愛莉!?」



ガチャっと音がして、目の前のドアが開く。



「チッ……邪魔入るとか最悪」


「最悪はお前だろ!無理やりとか最低だろ!」



あたしの上にまたがる大ちゃんを引き離して、自分の着ていた上着をあたしにかける。



「大丈夫か?」


「う、うん……」



大丈夫なんかじゃなかった。
正直、怖い。
無理やりなんて、大ちゃんはそんなことする人じゃなかった。

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