君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「なんだよ、2人して。めっちゃムカつく」



そのまま、立ち上がってドアを開ける。



「しばらくは普通の感情でいるのは無理だと思うけど。仕事ではちゃんとするから」



振り向かずにそう言って、部屋を出ていく。



「つーか、靴のままだったのかよ」



靴を履き直すこともなく、立ち上がって出ていった大ちゃんに苦笑いをする。



「うん。あたしもまだ靴はいてる」


「まぁ、俺もだけど」



そのまま、2人で靴を脱いで、家の中へとはいる。



「後輩のこと傷つけちまったかなー」



はぁっとため息をつく浩ちゃん。



「浩ちゃん……」


「まぁ、誰かを傷つけずに幸せになるなんて、そんな都合のいいことないよな」


「うん……」



誰かは誰かのことが好きで。
その誰かはまた誰かのことが好き。

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