君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「いいっすよ。たまには俺に払わせてくださいよ。実際俺のほうが稼いでるんで」


「……くっ」



大ちゃんのニヤッと笑う姿に浩ちゃんが苦笑いする。



「本当、お前誰だよって感じだな」


「これが俺ですよ。でも、白崎さんのこと俺はいつまでも憧れですよ」


「はは、でも憧れられるような存在でもねーよ」



浩ちゃんがたくさん苦労してきたのを知ってる。



「浩ちゃんの演技があたしは好きだよ」



昔から知ってる。
浩ちゃんの演技。

学校祭とかでもやっていた演技。
いつでもあたしを魅了してくれた。



「惚気かよ……たく、まぁ幸せにね」



ポンポンっとあたしの頭を撫でて、伝票を持っていく。



「ありがとう大ちゃん」



呟いた言葉は大ちゃんには聞こえないくらいの小さな声だった。

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