君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「なぁ、愛莉」


「ん?」



大ちゃんの背中が見えなくなったころ、ふと浩ちゃんに話しかけられる。



「久しぶりに地元一緒に帰らねぇ?」


「うん、いいね」


「そこで、ちゃんと言うよ。俺の気持ち」


「……うん」



あたしたちの始まりの場所。
そこで、また始まるあたしたちの物語。



「年末年始くらいしか連休とれねぇから、そのへんだけどいいか?」


「うん。もうすぐじゃん」



季節はもう冬。
年の瀬はすぐそこまで来ていた。



「地元帰んの久しぶりだわ。愛莉は?」


「あたしも……どうしても浩ちゃんとの思い出が多すぎて帰れなかった」


「おばさんとか寂しがってんじゃねぇの?」



浩ちゃんの声に脳裏に浮かぶ家族の顔。



「連絡は結構とってるから大丈夫だよ……。別に寂しがってなんていないと思うし」

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