君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
あたしの頭を撫でてくれる手に安心をおぼえる。

浩ちゃんがいてくれれば大丈夫。
浩ちゃんとなら、強くいられる。



「ありがとう。浩ちゃん」


「愛莉を守るのが俺の役目だから。お前は何も気にしなくていいんだ」


「うん……」



また、浩ちゃんと一緒に地元に帰れる日が来るなんて思わなかった。
また、一緒にあの場所にいけるなんて。

あのころ、家族の中でうまく笑えなかったあたしにとって、浩ちゃんと一緒にいる時間が何よりも大切な宝物だった。

だから、浩ちゃんが地元を出るって決めた時、ついて行かないなんて選択肢はなかった。

たとえ、家族があたしを見放そうと。
浩ちゃんといられないくらいなら、それすらどうだってよかった。

すでに、家族はあたしのことをいないものも見ている部分もあったし、そんな家族といることを選ぶなんてわけはなかった。

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