君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「そんな顔すんな。愛莉が俺から離れたのは、俺の慢心のせいだって思ってるんだから。それに今はこうして隣にいる」



あたしの手をぎゅっと握る。



「うん」



まだ、あたしたちの関係に名前はついていない。
でも、あたしはもうこの手を離さないって心に決めてる。



「あれー?ふたりくっついちゃったの?」



後ろからそんな声が聞こえて、二人とも同時に振り向く。



「お前……」


「京香ちゃん……」



みるみるうちに嫌そうな顔になっていく浩ちゃん。



「愛莉ちゃん、大輔くんとは別れちゃったの?」



そんな浩ちゃんを気にすることもなく、あたし達に近づいてくる。



「お前が、大輔と浮気したくせに何言ってんだよ」


「は?浮気なんてしてないよ?あんなただいつもニコニコしてるだけの男なんてつまらないわよ」

< 88 / 193 >

この作品をシェア

pagetop