君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
何も疑うことのない、どこまでも純粋そうな大ちゃんの瞳。
少しの罪悪感をかんじたりもするけど、妙にするどい人じゃなくてほっと胸をなで下ろす。



「ただ、このドラマよく見てただけだよ。この時は大ちゃん、脇役だったのに3年でここまで上り詰めたんだネ。すごい」



白崎に憧れてると言ったけど、大ちゃんなんて今では白崎よりもドラマに出ずっぱりだと思う。

白崎も昔に比べて、たくさん出るようになったとは思うけど。
やっぱり彼は遅咲きだから。

若手のほうが重宝される、そんな世界だ。



「あのころの俺にとって、白崎さんってすごい輝いてみえてさ。そんな先輩に早く追いつきたかったんだ」


「……そっか」



あたしは、大ちゃんが置いた台本の白崎の名前の部分を指でなぞる。



「頑張ってるね……」



大ちゃんにも聞こえないようなそんな声でつぶやく。

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