君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「俺、ここで愛莉に一目惚れだった」


「あたしもだよ」



浩ちゃんが連れてきたのは、なんの変哲もない曲がり角。
あたしの実家と浩ちゃんの実家から学校へ向かうのに交わる場所。

なんの変哲もない場所だけど、あたしたちにとってはたったひとつの出会いの場所。



「好きだよ、愛莉」


「あたしも浩ちゃんのことが大好き」


「もう俺で頭いっぱいになった?」


「うん!なった!浩ちゃんしかいま頭にないよ!」



うんうんと頷くあたしの頭をポンポンと撫でてくれる。



「付き合おう、愛莉。今度こそ離さないから」


「うん。あたしも、もう絶対に離さない」


「離されない努力するよ。俺」



ぎゅっとあたしのことを抱きしめてくれる。


高校の入学式、出会った曲がり角。
いまここで、ふたたびあたしたちの想いは繋がる。

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