君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「浩ちゃんの家にあたしも生まれたかったな」


「は?なんで?」


「だって、浩ちゃんの家には愛が溢れてるもん。あたしの家とは違う」



本当にそうおもう。
浩ちゃんの家にいたらきっともっとあたしは楽しい人生だった。



「ばか、そしたら俺と愛莉が付き合えねーだろ」


「あ、そっか」


「やべーだろ。兄妹で恋とか」


「禁断の恋だね」



そんなことを話してるうちに、あたしの実家の門の前についていた。



「よし、押すぞ」


「うん」



さっきまでの気持ちとは真逆。
急に緊張が走る。



『はい』



浩ちゃんがチャイムを押して数秒くらい。
インターフォンからお母さん声が聞こえる。



「ほら、愛莉」


「お母さん……」


『愛莉?』



浩ちゃんに背中を押されて、恐る恐る口を開くと、インターフォンから聞えるお母さんの声色が変わる。

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