君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい

「うん……」



あたしが自分であることを認めるとガチャリとインターフォンが途切れる音が聞こえる。



「え？切られたよ？」


「大丈夫」



あたしであることを知って、すぐに切ったお母さんにあたしの臆病な心はすぐに不安になってしまう。

でも、浩ちゃんは変わることなく、あたしの手をぎゅっと握ってくれる。



「愛莉！？」



すぐに家のドアがあいて、お母さんが走って出てくる。



「お母さん……」



久しぶりに見たお母さんは、最後にみたときよりも少し白髪が増えていた。

年月が経ったんだなぁーと実感する。



「浩一くんが連れてきてくれたのね。愛莉のこと」


「一緒に地元帰ってきたんです」


「愛莉、元気そうでよかった」



お母さんがあたしの肩をつかんで、そしてあたしを抱きしめる。