君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「お母さん?どうしちゃったの?」



いままでのお母さんなら絶対にこんなことしない。



「愛莉、ごめんね。いままで冷たく当たってきてしまって」


「え……?」


「愛莉は1番上だから、お姉ちゃんだからって、厳しく育てなきゃって思って」



お母さんがそんなふうに思ってたこと、全然知らなくて言葉にならない。



「いつの間にか、愛莉に辛く当たるのが当たり前になっちゃって。ごめんね……きっと、愛莉ももうお母さんのことなんて憎んでるに決まってるって思ったら優しい言葉もかけてあげられなくて」



お母さんの言葉にあたしの瞳からは涙が溢れてくる。



「お母さん……」


「浩一くんが、愛莉と別れたあともあたしたちのこと気にしてくれて、また愛莉と再会できたって報告もくれて。愛莉は憎んでなんかいないって浩一くんが教えてくれたから、素直になってみようって決心したの」



お母さんの言葉に、横に立っている浩ちゃんをみる。

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