君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「杏蓮(あれん)は、今日仕事終わったらこっち帰ってくるって」


「そっか」



杏蓮は、五つしたの弟。
ことしから新社会人として東京に出てきたと聞いていた。



「お姉ちゃん、今日泊まっていくの?」


「浩ちゃんの実家によってからここに帰ってくるよ」



ふと横をみると、浩ちゃんも満足そうに頷いてる。

本当は、浩ちゃんの家に泊まる予定だったけど、この家に帰ってきたいって初めていま思ってる。
だから、今日はこの家で眠ろうと思う。



「でも、あたしの部屋……「元に戻しておいたわよ」



あたしの言葉を遮って、お母さんがそう口にする。



「お母さん、昨日なにやらゴソゴソやってたもんねー?」



杏莉がニヤニヤとお母さんの肩を小突く。



「寝る場所、必要でしょ?」


「うん、ありがとう。浩ちゃん、部屋行こうか」



あたしは浩ちゃんの手をとって、階段へと向かう。

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