銀狼と緋色のかなた
「かなた!」
いきなり駆け出した、狼の姿のままのかなたを空月は追いかけた。
しかし、狼の足に人間の姿の空月が叶うはずもなく、あっという間にかなたの姿が見えなくなってしまった。
「待ってくれ、空月」
人形に戻ったヒロトとはるかが空月を呼び止めた。
向かい合う空月とはるかは、初めてお互いの人形の姿を見ていた。
「,,,!かなたを追わないと」
空月は苦しげな表情で拳をぎゅっと握った。
昨夜、
『人間として暮らせる方法がある』
と空月に告げたかなたの表情に、空月は違和感を感じていた。
なのに、その違和感を口にすることもできずに今まできた。
空月の不安は、人形に戻らずに人狼のままこの場を去ったかなたの行動で現実となった。
「もしかしたら、かなたは,,,」
"自分達の犠牲になったのかもしれない"
3人の頭をよぎったのは同じ考えだった。
「とにかくかなたを探そう」
3人はかなたが走り去った方向へ駆け出した。
いきなり駆け出した、狼の姿のままのかなたを空月は追いかけた。
しかし、狼の足に人間の姿の空月が叶うはずもなく、あっという間にかなたの姿が見えなくなってしまった。
「待ってくれ、空月」
人形に戻ったヒロトとはるかが空月を呼び止めた。
向かい合う空月とはるかは、初めてお互いの人形の姿を見ていた。
「,,,!かなたを追わないと」
空月は苦しげな表情で拳をぎゅっと握った。
昨夜、
『人間として暮らせる方法がある』
と空月に告げたかなたの表情に、空月は違和感を感じていた。
なのに、その違和感を口にすることもできずに今まできた。
空月の不安は、人形に戻らずに人狼のままこの場を去ったかなたの行動で現実となった。
「もしかしたら、かなたは,,,」
"自分達の犠牲になったのかもしれない"
3人の頭をよぎったのは同じ考えだった。
「とにかくかなたを探そう」
3人はかなたが走り去った方向へ駆け出した。