銀狼と緋色のかなた
『かなた、かなた』
遠くでかなたを呼ぶ声が聞こえる。
稲穂が輝く黄金の道を、両親と叔父夫婦と歩いていたかなたは、ゆっくりと後ろを振り向いた。
「かなたは運命に向き合ったんだね」
父が笑顔で言った。
「はるかを助けてくれてありがとう」
叔父がかなたの手をとり頭を下げた。
「緋色の人狼の村を途絶えさせずに繁栄させるのはかなた達の役目よ」
母が言った。
「はるかと協力して仲良く暮らしてね。そして幸せになりなさいと伝えて。もちろんあなた達のパートナーにも」
それは誰のことだろう?
遠くでかなたを呼ぶ声が大きくなる。
そよそよと風にそよいでいた稲穂が大きく揺れる。
ああ、この優しくて低い声は愛しいあの人の声。
「空月」
かなたは声のする方に向かって走り出した。
そして、一度立ち止まると、かなたは見送る四人を振り返った。
両親と叔父夫婦は笑顔で手を振っている。
「幸せになるから」
かなたは大きな声でそう叫ぶと、かなたを呼ぶ声の方、そう緋色の光が導く先に駆けていった。
遠くでかなたを呼ぶ声が聞こえる。
稲穂が輝く黄金の道を、両親と叔父夫婦と歩いていたかなたは、ゆっくりと後ろを振り向いた。
「かなたは運命に向き合ったんだね」
父が笑顔で言った。
「はるかを助けてくれてありがとう」
叔父がかなたの手をとり頭を下げた。
「緋色の人狼の村を途絶えさせずに繁栄させるのはかなた達の役目よ」
母が言った。
「はるかと協力して仲良く暮らしてね。そして幸せになりなさいと伝えて。もちろんあなた達のパートナーにも」
それは誰のことだろう?
遠くでかなたを呼ぶ声が大きくなる。
そよそよと風にそよいでいた稲穂が大きく揺れる。
ああ、この優しくて低い声は愛しいあの人の声。
「空月」
かなたは声のする方に向かって走り出した。
そして、一度立ち止まると、かなたは見送る四人を振り返った。
両親と叔父夫婦は笑顔で手を振っている。
「幸せになるから」
かなたは大きな声でそう叫ぶと、かなたを呼ぶ声の方、そう緋色の光が導く先に駆けていった。