妖怪少女、現世へと参ります。
青葉からの返事が来たのは日付が変わった直後。
"大嶽丸"関連の事について、うちの便利屋に正確な情報を求める者もかなりいて。
その者たちへの対応に追われていた。
その波が一段落ついたのを見計らう様に、青葉からの手紙が来たのだ。
《咲良へ
返事が遅くなってすまない。
"大嶽丸"の事についてだがこっちも情報を得ている。
今"大嶽丸"は、"鬼"の末裔の青年に憑依しているらしい。
その青年の妖力を奪って暴れているようだ
恐らく自らの力が完全に戻るまでその青年に憑依するつもりなのだろうが……。
それでは青年の妖力が持たぬ。
もしかしたら彼の妖力が反発して大暴れなんて事態にもなりかねないだろうな。
俺も出来るだけ情報を集めるから待っててくれ。
それと、この事について手紙をくれて助かった。
咲良からの手紙が来るまで何も知らなかったんだ。
とりあえず知り合いが得ている情報を伝えたからよろしく頼むぞ。
青葉》
……やっぱり青葉は青葉だった……。
珍しく知っていたのかと思えば、その情報は知り合いからの受け売りって……。
……だけど。
この情報はかなり貴重なものだ。
感謝しよう。……青葉の知り合いに。
お礼の手紙を青葉に送り、情報を薫たちと共有する事にした。