妖怪少女、現世へと参ります。
「なら話は早いわね!あのね……!」
と杏子が切羽詰まった表情で話し出そうとしたとき。
ガタガタッ!と入り口から音が鳴る。
その直後、真っ青な顔で薫が事務所に飛び込んできた。
「咲良さん大変ですよ!!
あの大妖怪が……現世で大暴れしているらしいです!!」
……は?
「ちょっと薫!もしかしてそれ"大嶽丸"の事!?」
「……杏子さん居たんですか!?いやそうなんですよ!"大嶽丸"に施された封印が解けたようで
今現世に住む妖怪たちの間では大騒ぎなんです!!」
……ちょっと待って。
それってどういうことなの……?
あの"大嶽丸"の封印が解けた?
それって……
「ちょっと!それ、大事件じゃないですか!!」
遅れて反応した私。
薫と杏子は顔を見合せ、同時に叫んだ。
「「だからこうやって慌ててるんですよ!!」」
……ごめん杏子、ハリセンで攻撃して……。
事態を把握することによって、私の顔を冷や汗が伝った。
これは、かなりまずい事になりそう……。