約束

そんな私に気付いた美結は、何も言わずに交差点から離れた場所に連れていってくれた。


腕を引かれ、公園のベンチに座らされる。


途端に、不安が解け、手の震えも治まってきた。


「白一華大丈夫?」


心配そうな顔で私を見る美結。


「うん、もう大丈夫。落ち着いた」


それにしても、なんでこんな風になるんだろう。


今までは無かったのに。


「美結、私、なんで...」


分かるはずがないのに、美結に尋ねる。


なのに、一瞬美結の目が泳いだ。


えっ?美結、何か知ってるの?


聞こうと思った瞬間に、美結は私を遮るように


「なんでだろうね、ごめんわかんないや」


と、早口で言った。
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