Sweets♡Days
「俺のじいさん、パティシエ界では結構有名な人だったんだ…。轟葉[トドロキヨウ]って聞いたことねえか?」
「轟って、あの超一流パティシエとも呼ばれてた轟さん?!」
その名前は、パティシエをしてる者なら誰でも絶対知っていて一度は憧れる存在の人だ。
生前、数々のコンクールの優勝を総なめにしていて、中でもチョコレートとパイ生地に関しては彼に敵う人はいないと言われていたほど…。
「そう。その轟。ま、驚くよな。俺も理解できる歳になった時に驚いた。見た目普通のじいさんだからな。だから、小さい頃は、じいさんの家っていうか店に遊びに行く度に仕事を覗き見してた。じいさんの手から色々なケーキが生まれるのを見るのが楽しくてさ。あの頃の俺は、じいさんにひっついて回ってたな」
桐島は懐かしそうに話す。