月と薔薇のプレリュード
Episode.1
再会
白が舞っている。
柔らかくて冷たくて、綺麗な雪が、
朧げで儚い世界を真っ白に染め上げていく。
雪の上に仰向けに倒れ込めば、
耳元で雪が軋む音がして。
寒いはずなのに、
なぜか身体中の血が逆流しているかのように熱い。
吐く息が、夜空へと白い煙のようにたなびいていた。
雲が流れていく。
灰色だった夜空が徐々に暗い暗い藍紺の色を覗かせて、
雲に隠れていた、金色に輝く月が顔を出す。
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