時を超えた王女と戦国武将達 後編
私...どこにいるの?
辺りは真っ暗で私以外誰もいないみたいで怖い。

皆どこへ行ったの?

何も聞こえないし、何も見えない。
どこか異次元の空間に飛ばされたみたいだ。


「びび。」

懐かしき声に耳を疑う。
それは10年間会いたくて仕方のなかった両親の声だ。

「お父様!お母様!
なぜここへ?」

「びび、お前は私たちのところへ来ようとしてる。
今はまだ早い。やるべき事があるだろう?」

「ごめんなさい。若いのにあなたには辛い思いをさせてしまった。私の最後の言葉でずっと縛られていたなんて...。」

お父様もお母様も涙を流している。

「そんな...!ただ私は...。」

「あなたは今まで良く頑張ったわ。
この時代にはあなたを大切に想ってる人がたくさんいる。
自由になっていいのよ。」

「さあ、お迎えがきたようだぞ。」

辺りが闇のように暗かったのに一瞬にして明るくなった。
両親から抱きつかれる温もりを覚えた。

とても暖かい...。

「びび...。愛してる。」

お父様とお母様は最後にそう言って私から離れた。

「びび。帰って来い。
約束しただろう?一生愛すと…。」

信長様の声…?
私、帰らなきゃ。
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