吸血鬼の執事
しばらくして・・・



「ご主人様!アッサムのミルクティー持ってきました!」
「おや?随分早かったね。」
「はいっ!急いでいってきたので。」
「クスクス...ありがとう。サファイアが入れてくれるお茶は美味しいよ。」
「本当ですか!?あっありがとうございます!!」
「・・・サファイア、実はお願いしたいことがあるんだ。ここ最近切り裂きジャックが出ているだろ。だから見回りをして欲しいんだけど・・・」
「構いませんよ。私はご主人様に拾って頂いた人間じゃないものですから・・・」
「サファイア・・・」
「それにもし、切り裂きジャックがご主人様を狙うかもしれませんから!」
「・・・そうか。ありがとう。」
「では仕事に戻らせて頂きます。」
「分かった。」


・・・そう、僕は人間じゃない。吸血鬼と言われているものだ。吸血鬼とは、生きている人間の血を吸いその人間を殺してしまう輩なんだ。吸血鬼の見分け方は銀色の髪、僕の髪だ。まぁ裏社会のごく一部しか知らないけど。
人間の血を吸わないで生きていけるのは人間と契約したものだけで、血を吸うと死ぬ仕組みになっているんだ。
契約の仕方はご主人様、つまり人間に名前を貰えば契約完了。
メイドやシェフ達はまだ知らない。知っているのは僕とご主人様だけ。
吸血鬼は簡単には死なない。人間よりも皮膚の再生能力と細胞の活性化が早いからだ。刺されても、銃で撃たれても痛いだけだ。


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