良薬は口に苦し
 

 旬がナナミがカラオケのデュエットをしている隙に桃子にもう一度話し掛けた。


 「その肩凝りってさ、肩に重いものがのしかかっているような感じなんじゃない?」

 「えぇ。そうなんです。
特に最近酷くて…」

 「精神的な事もあるかもしれないね。
もし良かったら、名刺に書いてあるクリニックに居るから、気軽に診察受けに来てよ」

 「だっ、大丈夫ですよ…」

  「リラクゼーションにくる患者さんも居るよ。
ストレスの多い社会だからね、愚痴ってスッキリして帰る人も多いよ。

 まぁ、君次第。

 こんなとこで商売する気もないし、出来れば、仕事の事は内緒で飲みたかったけど、君の抱えてるもんが気になったから、声掛けただけ。
いらなきゃ、名刺も後で捨てて」



 助けを求めるなら来いよ。



「あっ、はい。有難う御座います。
考えてみます………」
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