良薬は口に苦し

 旬とキャバクラに行ってから数日が過ぎていた。

 元々、そういう場所は苦手だったし、付き合い以外で行く事もない。
 
 桃子の瞳の奥から発する危険信号は気にはなったが………



 「里中先生、次の患者さん呼んでもよろしいですか?」

 「あぁ、お願いします」  

 「今西さん、どうぞ中へお入り下さい」

 俺は患者の方に視線を送る。



 !!

 彼女は俺の顔を見ると、一礼し、看護師の指示で目の前に座る。


 「先生、今西薫子さんです」

「はい。
あっ、岩田さん。悪いけれど少し席を外していて下さい」

 「はい」

 看護師の岩田は返事をして診察室を出た。
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