主任とルームシェア始めました
「遥、ありがとう。」
家に着くなり、けいちゃんが言った。
「けいちゃん、私こそ、けいちゃんの子が
ここにいるなんて、嬉しいよ。
けいちゃん、ありがとう。」
私は、嬉しくて、けいちゃんにぎゅっと抱きついた。
「遥、仕事どうする?
この仕事、母親と両立は厳しいぞ。」
「私は、仕事より、けいちゃんの子が大事。
でも、今やってるのを放り出すのは、
無責任な気がするんだ。」
設計はほぼ終わってる。
あとはプログラミングとテスト。
「課長に言って、人を増やしてもらおう。
遥は、設計とテストに専念して、
プログラミングは他のやつに任せればいい。」
「だけど、人なんて余ってないよ。」
「大野がいるだろ?
あいつは異動して来たばかりだから、まだ
そんなに顧客も抱えてない。
私情は捨てて、できる奴にできる事を
させればいい。
残業100時間超えてもがんばってたお前に
暴言を吐いたんだ。
奴にも100時間を経験させてやれ。」
けいちゃんは、私を大切にしてくれる分、その他には容赦がない。
私は苦笑いするしかなかった。