主任とルームシェア始めました

部屋に戻ると、けいちゃんに抱きしめられた。

「遥、もう、俺から離れるの禁止。」

「うん。」

今回は、幸い酷いことにはならなかったけど、もしかしたら、襲われてたかもしれないという恐怖は私の中からなくならなかった。

「けいちゃん、心配かけて、ごめんね。」

私が謝ると、けいちゃんは、より一層、私を強く抱きしめた。



それからは、私たちは、ずっと一緒に過ごした。

トイレですら、けいちゃんが出入り口で待つという徹底ぶり。

私が危ない目に合うという事が、何よりけいちゃんを怖がらせるという事を、私は初めて知った。


だけど、けいちゃんは、私を叱らない。

「けいちゃん、なんで私も悪かったのに、
私に怒らないの?」

私が聞くと、
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