主任とルームシェア始めました


外が明るい。
朝だ。

動けない。
ダブルベッドで河谷主任に後ろから抱き締められてる。

なんで?

そっと抜け出そうとするが、腕が解けない。

「くくくっ」

笑い声と共に河谷主任の体が小刻みに揺れる。

「主任、起きてたんですか!?
もう、笑ってないで離してくださいよ!」

「佐藤ががんばってるのが面白くて…
くくくっ」

まだ笑ってる。

「もう!
主任、変なこと、しなかったでしょうね!?」

「されたと思う?」

服は昨日のままだ。

「思いません。」

「当たり前じゃん。
今のお前を襲うほど、俺は女に
困ってないぞ。」

「じゃあ、なんでこうなってるんですか?」

「抱き枕?」

「は!?」

「昨日、お前の頭、撫でてやってたら、突然、
電池が切れたみたいに寝ちゃったんだよ。
だから、とっても親切な俺が、ベッドに
運んでやったんだ。」

「それは、どうも。
………
てか、なんで主任も一緒に寝てるん
ですか!?」

「しょうがないじゃん。
うち、ベッド一つしかないもん。」

「………
じゃあ、この手は何ですか!?」

「抱き心地が良かったから?」

「はぁ!?」

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