主任とルームシェア始めました
「お待たせしました。」
「21分。
1分の遅刻だな。」
「1分位いいじゃないですか!?」
「お前は、そういう意識でいるから、納期に
間に合わなくなるんだ。」
「………」
「親には何も言われなかったか?」
一応、心配してくれてる?
「はい、仕事で徹夜になったから、上司に
送ってもらったって言ったら、『そう』って
言われて終わりました。」
「さばけてんなぁ、お前んち。
くくくっ」
また、笑ってる。
「でも、酷いんですよ!
私、いつも終電で帰るじゃないですか?
それをご近所さんも気づいてて、変な噂が
流されてるんですよ!」
「変な噂って?」
「佐藤さんちの娘さんは、毎晩、夜のお仕事
してらっしゃる。」
「ぶはっ」
「笑い過ぎです!
酷いと思いません?
毎日、身を削って、残業して、挙句に嫁に
行けなくなるような悪評流されてるん
ですよ!?
いっそ、家出て、一人暮らししようかと
思いますよ。」
「お前、嫁に行きたかったのか!?」
「そりゃ、行きたいですよ。
行き先、なくなりましたけど…。」
ダメだ。
また、泣きそう。
すると、隣から、手が伸びてきて、また、頭をわしゃわしゃされた。