主任とルームシェア始めました

「ええ!?
でも、私、そんなにモテませんよ?」

「それは、大野が必死に牽制してたからだよ。
あえて社内でラブラブ光線出しまくってた
じゃん。」

「は?
そんな事してませんよ。」

「お前が知らないだけだよ。
あいつがどれだけ惚気まくってたか。
俺にヤキモチ妬きまくってたのも、そのせい
だよ。
あいつは3年間、いつとられるか、ずっと
ヒヤヒヤしてたんだよ。」

知らなかった…

「じゃあ、今日からは、けいちゃんが
ヒヤヒヤするの?」

私がくすくす笑うと、けいちゃんは、腕枕の腕を引っこ抜いた。

「お前、そんな事言うと、腕枕して
やらないぞ!」

「ヤダ。
………けいちゃん、
…大好きだから、腕枕して?」

「っ!!」

「ぷっ
けいちゃん、顔、真っ赤だよ?」

「うるさい!
そういうとこだよ。
男がお前に振り回されるのは!」

そして、けいちゃんは、急に声を潜めて囁いた。

「俺は、これからもずっとお前に翻弄され
続けて、一生お前から目を逸らせないんだ。
だから、お前も一生、俺だけを見てろよ。」

私は、けいちゃんをぎゅっと抱きしめて、顔をけいちゃんの胸に押し当てた。

幸せ。

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