主任とルームシェア始めました
朝礼が終わり、席に着くと、痛い程の視線が背中に刺さる。
だから言ったじゃん
と心の中で思いつつ、仕事に取り掛かる。
「遥、明日から回る営業所のリストあるか?」
「はい。」
私は訪問の日程と営業所の所在地を記載したリストを渡した。
「1件、作業が終わるたびに、
俺に連絡しろよ。」
「え?」
今までも1人で作業に出た事は何度もあるが、1件ごとに報告をした事はない。
しかも、今回のインストールはそんなに難しい作業でもない。
「何でですか?」
「遥がナンパされてないか確認するため。」
「はぁ!?」
思わず、声が大きくなってしまった。
けいちゃんが、
「くくくっ」
と笑っている。
すると、少し離れた席の課長が呆れたように声を掛けた。
「お前ら、仕事中にイチャつくな。」
「イチャついてませんよ!」
私がムキになって言うと、けいちゃんは、相変わらず、
「くくくっ」
と笑う。