主任とルームシェア始めました
「遥!」
ドアが開いて、けいちゃんが飛び込んで来た。
一瞬で田中さんを引き剥がし、床に引き倒した。
けいちゃんが私の前に立ち塞がる。
「貴様、遥に何した!?」
けいちゃんの肩が、怒りに震えている。
これ以上、けいちゃんに何かさせてはダメだ。
「けいちゃん、もう…いいから。
帰ろ?」
「良くないだろ!?
遥はこいつを許すのか!?
俺は絶対に許さない。」
けいちゃんは拳を握って、今にも殴りかかりそうだ。
「………
けいちゃん、この人、お客様だよ。
私は大丈夫だから。
けいちゃんが来てくれたから。
だから、帰ろ?」
けいちゃんは、お客様という言葉に反応したようだった。
「………
今回の事は、弊社から御社に正式に抗議
させていただきます。
警察に届けるかどうかは、社で話し合って
後日ご連絡いたします。」
怒りを押し殺したけいちゃんの低い声は、田中さんに反論の余地を与えなかった。