主任とルームシェア始めました

「ダメ!」

私は両手を前に出してけいちゃんを押し留めた。

「なんで〜!?」

けいちゃんは、不満顔だ。

「せっかく綺麗に着せてもらったのに、
崩れちゃうでしょ?
披露宴が終わるまではダメ!」

「遥がこんなに綺麗なのに触れないなんて、
結婚式って拷問だな…」

「ふふふ」

しょんぼりしてるけいちゃんがかわいくて、今度は私が触りたくなる。

私は両手でけいちゃんの頬を包んで、けいちゃんを見上げる。

「けいちゃん、ずっと私のそばにいてね。」

私が小さな声で言うと、

「俺は死んでもお前を手放すつもりは
ないよ。」

私たちは、しばらく見つめ合って、どちらからともなく笑った。


< 82 / 141 >

この作品をシェア

pagetop