少年と魔女
少年15サイ
『お誕生おめでとう、坊や』
「ありがとう母さん」
『あのときの赤ん坊がもう15サイなんて信じられないわ…』
「じゃあもう坊やって呼ぶのやめてくれよ」
『あら、私にとったらいつまでもあなたは坊やよ?』
「そうだけどさっ。
……僕、本当に感謝してるんだよ。拾ってくれたこと」
『気にすることないわ、気まぐれよ』
「…うん」
『それにあと5年もしたらあなたは街で暮らすの。人間たちと一緒にね』
「母さんも一緒にいこうよ」
『いやよ。私たち魔女が人間に殺されたの知っているでしょう。
それにあなたのこと面倒見てられないわ』
「…そうだったね。ごめん。」
『…。ジルくんと出かける予定があるんでしょう?』
「ああ、そうだ。ごちそうさま。
いってきます」
『いってらっしゃい』
「…母さんは嘘つくとき僕のことをあなたって呼ぶんだよ…」