少年と魔女
少年24サイ
“ほんとにいいのか?ロキ”
「ああ、もう決めたんだ。僕は丘の上に戻るよ」
“仕事まで辞めなくったって…”
「僕なりのけじめなんだ。仕事は丘の向こう側で探すさ」
“気を付けてな…”
「ありがとうジル。また会おう」
“ロキくーん!”
「こんにちは、エレナちゃん。…クレアさん」
“お久しぶりねロキくん…。最近見かけなかったけど元気にしてた?”
「ええ…」
“ロキくん遠いところへいっちゃうの?”
「はは、そんなに遠くないよ。丘の上に戻るだけさ」
“丘の…上って…”
「…。はい。僕、魔女の家で育ったんです」
“……っ。ロキくん、ごめんなさっ…”
「クレアさん。僕は幸せです。
僕のただ一人の母に育てられて…毎日が幸せでした。
物覚えがちょっと悪いけどね、はは」
“…………よかった”
「それじゃあ、またねエレナちゃん。
…クレアさんも、お元気で」