少年と魔女
少年25サイ
「はーーっ。肉体労働ってのはやっぱり大変だ。丘を越えると洞窟を掘る仕事しかないなんて…」
「母さんがこの地を去ってもう5年目か…」
「待つ方も大変だよ…」
「あ、帰りに卵買っていかないと」
「ただいまー。おかえりー」
『ふふ、おかえり』
「ただいまー、って…え??」
『久しぶり、坊や』
「か、母さん…どうして…」
『大変だったのよー。帰りの船が止められてて3年動かなかったんだから』
「母さん…」
『まさか行って帰ってくるだけで5年も経っちゃうなんて、行き損よね。魔女もいないし』
「母さん!!」
『…なによ』
「おかえり……」
『…っ。やだまた身長伸びた?こんな簡単に抱きしめられちゃうなんて…』
「うん」
『あのね、魔女はいなかったのよ…私、やっぱりひとりだったのよ…っ』
「ひとりじゃないよ。僕がいるでしょ」
『なんでここにいるのよぉ…』
「母さん…いや、フレイヤのこと待ってたんだ。ずっと」
『ううぅっ…。ロキ、ありがとう…っ』
「フレイヤも、戻ってきてくれてありがとう」