少年と魔女
少年34サイ
「ジルーー。僕はそんなに子供っぽいのかな」
“んーー。一人称が僕なのがちょっと幼いとか?”
「俺っていうと…怒るんだ…」
“お、おう…。せっかくいい体してるんだから少し迫ってみたら?”
「迫る、って?」
“ほら、壁にドンって追いやったり”
「そんなことしたら怖がられるだろ」
“顎をクイってあげてみたり”
「いきなりやられたら気持ち悪くないか?」
“…洗いものしてるときとかに袖をクルってまくってあげたり”
「触ると怒られるんだ」
“…。策なしだな”
「策なしです…」
“手強いな魔女”
「魔女は手強いんだよ。なんたって、魔女だからな」
“どんなとこが好きなんだ?聞かせてみなさい”
「はい、ジル先生。フレイヤの好きなとこは僕を愛してくれてるところです」
“…は?それならいいだろ?”
「違うんだ。僕は結婚してちゃんと夫婦になりたいんだよ…。今のままじゃ親子だろ」
“兄妹みたいだけどな”
「助けてくれよジルーーーー」
“策なしだっていっただろ!?”