少年と魔女
少年41サイ
「ジル…なんで…」
『…。』
「はは、なんでだろうな。なんだか何も言葉が出てこないや。言葉どころか…涙も」
『坊や…』
「なんで先に逝ってしまったんだ…。
なあ、フレイヤも大事な人がいなくなったときこんな思いだったのか?」
『私は…』
「ごめん。思い出させるなんて最低だよな。でも僕知らなくて。大切だと思える人は数えるほどしかいないからさ。
はは…だめだね。自分が一番不幸とすら思えるよ」
『…坊や。
もし坊やがジルくんと出会えて幸せだと思っているなら、きっとジルくんも幸せだったと思うの。
ジルくんという人が存在していたということはとても素晴らしいこと。
それをあなたが忘れてはいけないわ。』
「あぁ…。忘れない忘れないよジル
安らかに眠ってくれ…」