恋が枯れるまえに、約束を
今度こそは、と、確信が付くくらいに私は気配を悟った。


───ギィ、


「!!」


やっぱり気のせいじゃない、後ろに
誰がいる…!


静寂で無機質な廊下は、
1つの鈍い足音を鮮明に響かせた。


足音はどんどんこちらへと
近づいて来るのが分かる。



ギィ、ギィイ、ギィ…


や…っ、来ないで……ッ


力が抜け、ついにはへたり込んだ。

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