恋が枯れるまえに、約束を




生徒立ち入り禁止の旧校舎、絶対に人なんていないと思っていたものだから、本当に身の毛がよだった。


でも、それが分かって安心したと同時に、
恥ずかしくて俯いてしまった。


「え…と、驚かせた?」


「……」


問われた事に黙り込んでしまう。


お、お兄ちゃんって、
聞かれたかな!?


な…ブラコンとか思われてたり。


ッッ~~~~恥ずかしい、、。


シンとしてしまった静寂さとは裏腹に、
内心穏やかではなかった。


「……少し」


なんて愛想のない返事かと自分でも
感じたが、そんな事は二の次だった。


今はとにかくここから逃げたくて
たまらない一心だったのだ。


それからずっと黙り込んでしまった私が散らばせた資料を広い丁寧にまとめるとお弁当と一緒に、彼は私に渡した。


「ごめんね、立てる?」


もう一度私に謝罪すると、
彼は苦々しく笑い、手を差し伸べた。

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