恋が枯れるまえに、約束を
「ひ、一つしか変わらないのに、
子供扱い………嫌です…」


「その一つは大きんだぞ〜?」


「~~~~っ」


こちらもやられてばかりではいられない。


「じゃ、じゃあ!佐々木先生から
見たら先輩は子供なんですねっ」


「おーおー言うじゃん」


私と同じようにカチンとくればいいと思っても、先輩は全くで、飄々としている様子は逆に私を煽った。


「……もういいです」


自分はこんなにも悩んでいるのに、
軽くあしらわれた事が嫌だったのだ。


私もいちいち突っかかるべきでは無かったと
反省すれば、いつもの冷静さを取り戻す。


そんな私に先輩は「先輩が一緒にお昼食べてあげようか?」なんて言うものだから、私はため息を吐いて、


「いりませんよ……、
もう私は行きますからね」


と呆れがちに応えた。


もう本当にこれでおいとましようとしたのに、
まだ先輩に引き止められる。


「待って」


少し怪訝な顔をして、なんだなんだと待っていれば、先輩はポケットからある物を取り出した。


これは……、

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