恋が枯れるまえに、約束を





相変わらず、教室でお弁当を食べても
虚しさは変わらなかった。


ただ、周りがチラチラとこちらを
見るものだから、気恥ずかしくて。


「今日は教室なんだね」
「あれ、招き猫じゃん」


なんてコソコソ聞こえる。


だから早く済ませてしまおうと、
食べるペースを上げた。


いつもみたいに、野良猫に癒せてもらえない分、
孤独感がひしひしと伝わって辛い。


でも、


それでも私は、明日も、明後日も、ここ(今ある場所)で食べようって、逃げ出せずそう思えたんだ────。

< 28 / 123 >

この作品をシェア

pagetop