恋が枯れるまえに、約束を

……



そうして時刻は放課後となり、
私は理沙のクラスへ向かっていた。


理沙は部活のマネージャーをやっていて、
毎日一緒には帰れないけど、水、日曜日の
2回は休養日だった。


その日だけは、私はこうして理沙のクラス
まで行って、彼女を迎えに行くのだ。


理沙のクラスはA組だから、私のクラスとは
2つだけ離れていた。


A組まで着けば、こちらもどうやらHRは終わっていたようで、教室の辺りをキョロキョロさせるも、理沙が見当たらない。


仕方なく、近くにいたクラスの人に
声をかけた。


「あ、あの」


「うわ!」


背後から声をかけてしまったせいか、
相手の人は驚きながら振り返る。


「…」


意図して驚かせたわけじゃないのだから、
そこまで過剰に反応しなくても……。


なんて思えど一応謝った。


「えと、驚かせてごめんなさい………。
理沙、居ない?」


「え、ああ、竹内(たけうち)?
そこの…ほら、ベランダにいるよ」


そう言って、彼はベランダを指差すと、理沙らしきシルエットが、カーテンに浮かび上がっていた。


あ、いた…!


「ありがとう」


確かに理沙だと確信すれば、一つお礼を言って、
私は小走りで理沙の元へと駆けた。

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