恋が枯れるまえに、約束を



あれから2年半が経った。



中学は休まず通い続けたけど、途中から来たせいでグループの輪には入りづらく、かと言って仲間外れというのはなかった。


クラスの子からすれば、「静かな子」として見られていたと思う…。


実際、その通りである。


行事ごとでは、相手の方から誘われれば、
迷わずそこに入った。


ただの数合わせとして入れてくれたんだと思うけど、私はうまく距離を測った上で、馴染めていた…と思う。


そこはお兄の見よう見真似で
やって得たものなんだけど…。


ただ、爽やかに振る舞うのとは
違うもの…かな?


中3になってからは、みんなどこかに
焦りがあった。


中学最後の年と共に、1番の正念場である
高校受験を控えていたから。


私はみんなとは違い、少し余裕を感じながら、
変わらない毎日を送っていた。


引きに引きこもっていた頃の私は、
勉強だけは怠らなかった。


ううん、本当は何かしていないと色々考えてしまうのが嫌だったんだと思う。


お兄が高校に通っている間、私はこっそりお兄の部屋から参考書を無造作に何冊か取って、ひたすら勉強した。


ただ、ひたすら、黙々と。

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