恋が枯れるまえに、約束を
○美しく歪な絆
あれから家に帰り、ご飯を食べる際も、お風呂に入る際も、今日の事が頭に過ぎっては離れなかった。
きっと私はもっと理沙とも先輩とも
近い距離でいたいと思ってるんだ。
しかし、それを口にするにはあまりにも
リスクを伴い、何より恥ずかしかった。
「…」
でも本音は……、
こんな綺麗な言葉を取っ払ってしまえば、
ただ2人の関係が気になるだけなのかも
しれない。
「関係…か」
〝誰といたの?〟
「……」
お風呂から上がり、1人そう呟けば、
ドライヤーをかけた。
温風が勢いよく響きを立て、耳元が
髪にかすれる度くすぐったくなった。
紛らわすように、無理やり頭から引っ張り出すかのように、ひたすら音に集中した。
これ以上はもう…考えるのはよそう。
そう思えば、私はそれからすぐに
夢の中に落ちた。