恋が枯れるまえに、約束を
*
「おはよう、伊織」
「おはよう、ごめんね、待った?」
「ううん」
今日から部活動をするにあたって、
理沙と同じ登校時間になった。
玄関の扉を開ければ直ぐに
理沙の姿を確認した。
相変わらず凛とした佇まいは、
昨日の動揺が嘘のようだった。
「あ、あとでコンビニ寄っていい?」
「はいよー」
いつもと変わらない態度、会話、
そして楽しい時間。
偽りなく紛れもない本心。
不満はないけど欲を言えば知りたい
聞き出したいという思いがムズムズ
する。
その度に自分に嫌気がさして、
また知らない自分に気づく。
私って、欲深かったりするのかも…。
そんな事を1人悶々と思えば、
理沙は口を開いた。
「昨日は委員会とかで居なかった人もいただろう
けど、今日多分みんな来てると思うから」
「多いんだね」
昨日見た限りでも、だいぶ部員は満たしていた。
「うん、だから今日また自己紹介してね」
「う''〜…」
朝からテンションが落ちつつ、私はコンビニに
入ると、菓子パンやおにぎりを手に取った。