恋が枯れるまえに、約束を




「おはよう、伊織」


「おはよう、ごめんね、待った?」


「ううん」


今日から部活動をするにあたって、
理沙と同じ登校時間になった。


玄関の扉を開ければ直ぐに
理沙の姿を確認した。


相変わらず凛とした佇まいは、
昨日の動揺が嘘のようだった。


「あ、あとでコンビニ寄っていい?」


「はいよー」


いつもと変わらない態度、会話、
そして楽しい時間。


偽りなく紛れもない本心。


不満はないけど欲を言えば知りたい
聞き出したいという思いがムズムズ
する。


その度に自分に嫌気がさして、
また知らない自分に気づく。


私って、欲深かったりするのかも…。


そんな事を1人悶々と思えば、
理沙は口を開いた。


「昨日は委員会とかで居なかった人もいただろう
けど、今日多分みんな来てると思うから」


「多いんだね」


昨日見た限りでも、だいぶ部員は満たしていた。


「うん、だから今日また自己紹介してね」

「う''〜…」


朝からテンションが落ちつつ、私はコンビニに
入ると、菓子パンやおにぎりを手に取った。

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