恋が枯れるまえに、約束を
そして佐藤先輩も困った様に笑うものだから、何となく、この人も何か、何か知っているのだと思った。


さらに、忘れようと、もう考えるのはよそうとした昨日の言葉がフラッシュバックする。


〝私っ、学校は安全だって思ってて、あっちだってこの時間は───っ〟


ねえ…あの言葉は一体なんだったの?


とっさに手を払ったのも、
何か関係あるの?


膨れ上がる疑問が次第に喉に突っ掛かり、
今の重苦しい空気に酔いそうになった。


だって、なんか、ねえ…?


気持ち悪いよ。


明らかに私には知られたくない、必死に
隠したいものがある…、それは分かるけど、
3人でそんな目…しないでよ。


そんな、はやく“この場”から立ち去れと言うような、不安の入り混じった、でも、狂気的な目を。


そしてそれが何を意味するかも、
何も知らない自分だからこそ分かった。

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