恋が枯れるまえに、約束を
○罪滅ぼし
side雨寺
私が3人を置いてその場を後にした後、彼らは遅れていつも通りニコリと微笑み歓迎会に参加した。
まるで、何もなかったかのような、
それは清々しい笑顔だった。
この感覚は、二回目だ。
朝を出迎えてくれた時と同じ、
凛とした綺麗な笑顔。
その奥に潜む謎はまったく読めやしない。
なんて、先ほど釘を打たれたばかりなのに、またこんな事を考えるなんて。
散々理沙たちが着く頃には気持ちを
入れ替えようとしていたのに。
「伊織は明太マヨと、明太チーズ、
どっちのお好み焼きがいい?」
「へ?ああ…」
理沙は私の隣、座敷の座布団に腰掛け
メニュー見ながらそう問いた。
「私は──…」
………。
せっかくみんなが自分のために
歓迎会をしてくれているんだ。
もっと楽しまないと……っ
「チーズ明太…かな?」