ユーレイ喫茶で、謎解きを。
◇Prologue◇幽霊の正体見たり枯れ尾花
***
近所の大通りを右に曲がり、人通りの少ない道へと入っていく。
その道を進み続け、行きどまりまで行ったところで、もう一度その場で右を向く。
そこには、全体が赤いレンガで組まれた少々レトロで、でもなぜか人を寄せつけないような、そんな雰囲気が漂う喫茶店があるという。
ー喫茶今宵ー
昔ながらのフォントで作られたさびれたように見える看板は、その店ならではの味ともいえる。
そして今、私は、その入りづらい店の前で、右へ左へ、いったりきたりしながら、入ろう入るまいかを迷っているところだった。
元はと言えば、わたし自身が、いきたい、そう思ってきたわけではない。
友人のオカルトオタクから、調べてくるようにと出された調査依頼だった。
心の奥底、奥底では『自分一人でいけばいいじゃん』とも思っている。だがそれを言ってしまえば、今まで積み上げてきた友人からの信頼を失うことになるだろう。
同じ過ちを二度は繰り返さない。
煮え切らない返事のもと、わたしはこの路地裏の怪しげな店へと駆り出されたのだった。
ここで立ちどまっていても、しょうがない。どうせ明日、朝一番に聞かれるだろうし、わたしにはこの店に入る、という選択肢しか残されていない。
近所の大通りを右に曲がり、人通りの少ない道へと入っていく。
その道を進み続け、行きどまりまで行ったところで、もう一度その場で右を向く。
そこには、全体が赤いレンガで組まれた少々レトロで、でもなぜか人を寄せつけないような、そんな雰囲気が漂う喫茶店があるという。
ー喫茶今宵ー
昔ながらのフォントで作られたさびれたように見える看板は、その店ならではの味ともいえる。
そして今、私は、その入りづらい店の前で、右へ左へ、いったりきたりしながら、入ろう入るまいかを迷っているところだった。
元はと言えば、わたし自身が、いきたい、そう思ってきたわけではない。
友人のオカルトオタクから、調べてくるようにと出された調査依頼だった。
心の奥底、奥底では『自分一人でいけばいいじゃん』とも思っている。だがそれを言ってしまえば、今まで積み上げてきた友人からの信頼を失うことになるだろう。
同じ過ちを二度は繰り返さない。
煮え切らない返事のもと、わたしはこの路地裏の怪しげな店へと駆り出されたのだった。
ここで立ちどまっていても、しょうがない。どうせ明日、朝一番に聞かれるだろうし、わたしにはこの店に入る、という選択肢しか残されていない。